事業を拡大・継続する上で、借入金(銀行借り入れ)は重要な資金調達方法の一つです。しかし「銀行借り入れの金利相場はどれくらいなのか」「金利1%程度の低金利で借りられるのか」と疑問を抱く経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、借入金の種類や金利が決まる仕組み、低金利で融資を受けるコツを解説します。金利だけではなく、自社に合った資金調達方法を検討したい方もぜひ参考にしてください。

 

この記事で分かること
・借入金(銀行借り入れ)の種類と金利相場
・銀行借り入れの金利が決まる仕組み
・低金利で融資を受けるコツと資金調達方法

借入金とは?

借入金とは、金融機関などから返済を前提として調達する資金のことです。事業の運転資金や設備投資など、さまざまな場面で利用されており、多くの企業にとって身近な資金調達方法といえるでしょう。

また借入金は、返済期間によって種類が異なります。用途に応じて適した借り入れ方法を選ぶことが重要です。

短期借入金と長期借入金

借入金は、返済期限によって以下の2種類に分類されます。

  • 短期借入金:決算日の翌日から1年以内。運転資金などの用途がある
  • 長期借入金:決算日の翌日から1年超。設備投資・長期的な資金需要などの用途がある

運転資金は日常的な事業活動で利用されるため、短期借入金が選ばれる傾向があります。一方、設備投資は回収まで時間がかかるため、長期借入金を利用するケースが一般的です。資金の用途に応じて借入期間を設定することで、無理のない返済計画を立てやすくなります。

銀行借り入れの4つの種類

銀行借り入れには複数の方法があり、資金の用途や返済期間によって適した種類が異なります。特徴を理解しておくことで、自社の資金調達計画に合った方法を選びやすくなるでしょう。

代表的な銀行借り入れの種類は、以下の4つです。

種類特徴主な用途
証書貸付金銭消費貸借契約を締結して借り入れる一般的な融資方法長期の運転資金・設備投資
手形貸付約束手形を振り出して融資を受ける方法短期の運転資金
手形割引受取手形を期日前に金融機関へ譲渡して現金化する方法売掛金の早期資金化
当座借越限度額内で自由に借り入れ・返済できる方法一時的な資金不足への対応

それぞれ利用条件や特徴が異なるため、資金使途や返済計画を踏まえて選ぶことが大切です。

銀行借り入れの金利相場はどれくらい?

銀行借り入れの金利は、融資制度によって異なります。民間銀行の融資だけではなく、日本政策金融公庫などの公的融資も選択肢です。

また金利だけではなく、審査の難易度や融資までのスピードにも違いがあります。自社に合った資金調達方法を選ぶためにも、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

プロパー融資・信用保証付き融資の金利相場

プロパー融資と信用保証付き融資は、多くの企業が利用する代表的な銀行融資です。金利相場は、どちらもおおむね1.0~3.0%程度となっています。ただし、企業の信用力や融資条件によって適用金利は異なります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

融資の種類金利相場特徴
プロパー融資約1.0~3.0%銀行が直接リスクを負うため低金利になりやすい一方、審査は厳しい傾向がある
信用保証付き融資約1.0~3.0%信用保証協会の保証を利用する融資金利に加え、保証料(0.40~2.20%程度)が発生する

信用保証付き融資は利用しやすい反面、保証料も含めた総コストで比較することが大切です。

銀行ビジネスローンの金利相場

銀行ビジネスローンは、スピーディーな資金調達を重視する企業向けの商品です。金利相場は1.5~15.0%程度と幅があり、通常の事業融資より高く設定される傾向があります。

主な特徴は以下の通りです。

項目内容
金利相場約1.5~15.0%
担保・保証人不要な商品が多い
審査・融資比較的スピーディー
注意点金利は通常の事業融資より高め

担保や保証人が不要な分、銀行は貸し倒れリスクを負います。そのため、通常の事業融資より金利が高くなるケースが少なくありません。商品ごとに条件は異なるため、金利だけではなく返済条件も確認しましょう。

日本政策金融公庫(公的融資)の金利相場

日本政策金融公庫は、政府系金融機関として中小企業や創業間もない事業者を支援しています。金利相場は0.8~4.2%程度であり、制度によっては銀行のプロパー融資と同程度、またはそれ以上の低金利で利用できる場合があります。

主な特徴は以下の通りです。

項目内容
金利相場約0.8~4.2%
対象中小企業・小規模事業者・創業企業など
特徴比較的利用しやすい制度が充実している
審査期間平均2週間程度

日本政策金融公庫では、創業支援や小規模事業者向けの融資制度も用意されています。ただし、低金利であっても事業計画や返済能力などの審査は行われます。利用を検討する際は、融資制度の内容と審査期間も踏まえて準備を進めることが重要です。

銀行借り入れの金利が決まる仕組み

銀行借り入れの金利は、一律に決まるものではありません。金融機関は基準となる金利に加え、企業の信用状況や返済能力などを総合的に判断して適用金利を決定します。

同じ金融機関を利用する場合でも、企業によって金利が異なるケースは珍しくありません。ここでは、銀行借り入れの金利が決まる代表的な仕組みを解説します。

基準金利(プライムレート)とスプレッド

事業性融資の金利は、一般的に「基準金利(プライムレート)とスプレッド(上乗せ幅)」で決まります。プライムレートは、信用力が高い優良企業向けに適用される基準金利です。実際の借入金利は、この基準金利に企業ごとのスプレッドを加えて算出されます。

それぞれの役割は以下の通りです。

項目内容
基準金利(プライムレート)金融機関が融資の基準とする金利
スプレッド(上乗せ幅)企業ごとの信用リスクを反映した上乗せ金利

信用リスクが高いと判断されるほど、スプレッドは大きくなる傾向があります。その結果、適用金利も高くなる仕組みです。なお、スプレッドの水準は金融機関や審査結果によって異なります。

企業の信用状況

銀行は企業の信用状況を総合的に評価し、融資の可否や適用金利を決定します。評価は「定量評価」と「定性評価」の2つの観点から行われるのが一般的です。

主な評価項目は以下の通りです。

評価区分主な評価内容
定量評価決算書や資金繰り表を基に、収益性・安全性・成長性・債務償還能力などを評価
定性評価経営者の能力や人柄、経営理念、市場環境、業界の将来性など数値化できない要素を評価

銀行は、財務内容だけではなく、事業計画や経営姿勢も含めて審査します。これらを総合的に判断した結果が企業の信用力となり、適用金利にも反映されます。信用力を高めることは、有利な条件で融資を受けるための重要なポイントといえるでしょう。

金利1%台も可能? 低金利で借り入れるコツ

銀行融資では、条件によっては金利1%台が適用されるケースもあります。ただし、全ての企業が利用できるわけではありません。企業の信用力や融資条件を整えることが重要です。

また金利だけを重視するのではなく、返済負担や資金繰りとのバランスも考慮する必要があります。ここでは、低金利で融資を受けるための主なポイントを紹介します。

説得力のある事業計画書で将来性をアピールする

銀行は、融資先の将来性や返済能力を重視して審査します。そのため、説得力のある事業計画書を作成することは、信用力を高めるための重要なポイントです。

事業計画書には、以下の内容を具体的な根拠とともに盛り込みましょう。

  • 売上や利益の増加予測
  • 成長戦略や事業計画
  • 資金の使途
  • 返済計画

市場分析や競合分析なども記載すると、計画の信頼性を高めやすくなります。また銀行担当者との面談では、数値の根拠や返済計画を丁寧に説明することが大切です。事業計画書は審査材料の一つであり、内容が充実しているほど信用力の向上につながる可能性があります。

担保や保証人を設定する

担保や保証人を設定すると、銀行の貸し倒れリスクが軽減されます。その結果、融資条件によっては金利が低くなる可能性があります。

主なメリットは以下の通りです。

  • 不動産などを担保にすることで銀行のリスクを軽減できる
  • 経営者保証などを付けることで信用力を補完できる
  • 創業間もない法人や取引実績が少ない事業者でも利用しやすくなる場合がある

ただし、担保や保証人には一定の責任が伴います。また融資制度によっては、担保や保証人を必要としない商品もあります。金利だけではなく、自社に適した条件かどうかを総合的に判断することが重要です。

返済期間を短く設定する

返済期間を短く設定すると、銀行の金利変動リスクや管理コストが抑えられるため、低金利になる傾向があります。返済期間も、適用金利に影響を与える要素の一つです。

一方、返済期間が短くなるほど毎月の元金返済額は増加します。そのため、資金繰りに負担が生じる可能性もあるでしょう。

返済期間を設定する際は、以下の点を確認してください。

  • 事業のキャッシュフローに無理がないか
  • 毎月の返済額を継続して支払えるか
  • 借入総額と返済総額のバランスが適切か

金利を下げることだけを目的に返済期間を短くすると、資金繰りを圧迫する恐れがあります。無理のない返済計画を立てた上で、自社に適した借入条件を選びましょう。

借入金を利用するメリット・デメリット

借入金は、事業運営に必要な資金を確保するための代表的な資金調達方法です。適切に活用すれば事業成長を後押しできますが、一方で返済負担などの注意点もあります。

メリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット資金繰りを安定させやすい手元資金に余裕を持ちながら経営できる万が一の資金不足やトラブルに備えられる新規事業や設備投資などの先行投資を行いやすい
デメリット元金に加えて利息も返済する必要がある銀行融資は審査が厳しく、融資まで1カ月以上かかる場合がある審査結果によっては希望額を借りられないことがある継続的な返済計画が必要となる

借入金は、状況に応じて活用することで経営の安定や事業拡大につながります。メリットとデメリットを踏まえ、自社の資金計画に合った方法を選択することが重要です。

【経理向け】借入金の仕訳方法

借入金は、融資を受けたときと返済したときで仕訳方法が異なります。適切な勘定科目を使用することで、正確な会計処理が可能です。

また借入期間によって「短期借入金」と「長期借入金」の区分も変わります。ここでは、実務でよくある借入時と返済時の仕訳方法を紹介します。

借入金が入金されたときの仕訳

銀行から融資を受けて普通預金口座に入金された場合は「普通預金」と「借入金」を用いて仕訳します。

例えば、1,000万円を借り入れた場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
普通預金 10,000,000円借入金 10,000,000円

返済期限が1年以内であれば「短期借入金」、1年を超える場合は「長期借入金」として計上します。この区分は貸借対照表での表示にも関係するため、借入期間を確認した上で適切な勘定科目を使用することが大切です。

利息を支払ったとき・返済したときの仕訳

借入金を返済する際は、元本と利息を分けて仕訳します。利息部分は「支払利息」として処理し、営業外費用に計上します。

例えば、元本100万円と利息1万円を返済した場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方
普通預金 10,000,000円借入金 10,000,000円
支払利息 10,000円 

元本は負債の返済であり、費用にはなりません。一方、利息は借入金を利用した対価であるため、支払利息として費用計上します。元本と利息を区別して処理することが、正確な会計処理につながります。

銀行の審査に通らない・すぐにお金が必要な場合の資金調達方法

銀行融資は低金利で利用できる一方、審査に時間がかかったり、希望通りに融資を受けられなかったりする場合があります。そのようなときでも、利用できる資金調達方法は複数あります。

資金調達方法によって特徴や適した利用シーンは異なります。資金が必要なタイミングや目的に応じて、自社に合った方法を選択することが大切です。

法人カードの利用

法人カードは、利用代金の引き落としまでの猶予期間を活用することで、実質的に資金繰りを改善できる方法です。

主な特徴は以下の通りです。

  • 支払い猶予:最大120日程度(カード会社や利用日によって異なる)
  • 利息:支払い期日までであれば原則発生しない
  • 主な用途:経費や仕入れ代金などの日常的な支払い
  • 借入金との違い:借入金としての負債には該当しない

支払いを先送りできるため、キャッシュフローの改善に役立ちます。ただし、資金そのものを調達する方法ではありません。長期的な資金不足を解消する手段ではないため、一時的な資金繰り対策として活用しましょう。

ファクタリングの活用

ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権(請求書など)をファクタリング会社へ売却し、支払期日前に現金化する資金調達方法です。借入金ではないため、銀行融資とは異なる仕組みで利用できます。

ファクタリングの特徴は以下の通りです。

  • 資金調達方法:売掛債権を売却して現金化する
  • 審査 :売掛先の信用力が重視される
  • 資金化までの期間:最短即日で対応するサービスもある
  • 注意点:利用時には手数料が発生する

赤字決算や創業間もない企業でも利用できる場合があり、急な支払いやつなぎ資金の確保にも活用されています。ただし、利用条件や手数料はサービスによって異なるため、内容を確認した上で利用することが重要です。

まとめ

銀行借り入れは、比較的低金利で資金調達できる方法です。ただし、適用金利は企業の信用力や融資条件によって異なります。低金利で借りるためには、事業計画書の充実や信用力の向上、適切な返済計画を意識することが大切です。

一方で、銀行融資は審査が厳しく、融資実行まで時間がかかる場合があります。急ぎで資金を確保したい場合や、借入金を増やさずに資金調達したい場合は、ファクタリングも有力な選択肢です。 株式会社JPSでは、最短即日での資金調達に対応しています。2社間5~10%、3社間2~8%の業界最低水準の手数料に加え、オンライン完結や他社からの乗り換えプランも用意しています。資金調達をご検討の方は、まずは無料見積もりやLINE相談、お電話にてお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人
JPS広報部
株式会社JPSはファクタリングサービスを検討している方向けに、多数の取引実績を持つ株式会社JPSがファクタリング業界の市場動向やビジネスに関する発信をしていきます。
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